ダリが唾を散らしながらわめいている…

エロティックで糞尿譚的な画家の中で、
最も輝かしい存在であるギュスターヴ・モローは、
ただ1つの目的のみを追求した。
即ち筆の先から金を現出させようというのである。
……私の愛する諸氏に、モロー美術館を訪れ、
宝石のきらめく一団が、
エロティックで糞尿譚的な強迫観念の淵から浮かび上がり、
天使の救済を何度も約束するかのように
飛びかっているこの薄暗がりにのめり込みにいくようお勧めする
と。
モローの住居が美術館になったので作品がところ狭しと飾ってある。


壁の色がピンクなので驚いた。





ブルトンが低い声でささやく……
私にとってこの美術館はとてつもなく光り輝く神の園だ。
いやむしろ『悪所』だ。
私は夜な夜なランプを持って忍び込みたい。
その暗闇の中で美しく輝く妖精を襲いたい…
と。

「グリフォンと妖精」
眩いばかりの色彩で溢れた美術館の中で
イーゼルに掛けられたこの白い絵(城壁のヘレネ)が恐ろしく際立っていた。

私の好きな絵です。
下絵の人物の部分が完成時には跡形もなく飛び散ったように描かれている。
モロー程キャンヴァスの中で人を殺した画家はいない。
この白い絵の中でも少なくとも20〜30人は死人がいる。
(注)モロー美術館の中でイーゼルに飾られている絵は7点のみ。
川田喜久治(写真家)のモロー作品の写真はお勧めです。すばらしいです。
日本にモローのコレクション世界一という方がいらっしゃるのを知っていますか?
40点位持っているのかな?
私はモローの初期の「ハムレット」と後期の色だけの抽象画がとても好きです。
モローの解放された精神が率直に表現されたすばらしい作品と思います。
→次へ